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2015 年度 実績報告書

機能性光増感剤の開発による癌選択的PDTの実現

研究課題

研究課題/領域番号 15J04681
研究機関東京大学

研究代表者

千葉 真由美  東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2018-03-31
キーワード光増感剤 / β-ガラクトシダーゼ / 光線力学療法
研究実績の概要

光線力学療法(PDT)への応用を目指した新規機能性光増感剤の開発にあたり、本年度は、癌部位高選択的に高効率に治療効果を発揮する新規機能性光増感剤の分子構造の分子設計・合成および、その光化学的特性の検討と標的細胞に対する細胞死誘導効果等の諸検討を行った。
これまでに当研究室では、卵巣癌において発現の亢進が知られ、また生命科学研究において汎用されているレポーター酵素であるβ-galatosidaseと反応し初めて光増感能を発揮するactivatable型光増感剤HMDESeR-βGalを開発した。この光増感剤により、β-galatosidaseを発現させた生体組織領域の選択的な細胞死誘導に成功しているが、一方で酵素反応後の光増感剤の細胞外への漏出がみられることから、未だ一細胞レベルでの高選択的細胞死誘導は達成できていない。
光線力学療法においては、癌部位以外に非特異的に分布した光増感剤により引き起こされる光線過敏症が問題とされており、HMDESeR-βGalを光線力学療法に応用する上では標的細胞外への漏出の問題は解決すべき重要な課題である。そこで、一細胞レベルという標的選択性を有して細胞死誘導を達成可能な新規activatable光増感剤の開発を行った。本光増感剤はβ-galactosidaseとの反応後に細胞内滞留性を獲得し、細胞外への光増感剤の漏出を防ぐ分子設計がなされている。本光増感剤はβ-galactosidaseとの反応前には光増感能を発揮せず、酵素反応後に初めて光増感能を回復する。また、光増感能の回復と同時に細胞内近傍のタンパク質を共有結合を形成し標的細胞内に留まることから、光線力学療法に応用することで極めて癌部位選択的な癌治療が可能になることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画であった新規光増感剤の開発および基礎的な光化学的特性評価および細胞を用いた細胞死誘導の検討等の基礎検討を行い、研究計画に沿った研究の進捗があったため。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた新規光増感剤の基礎検討による知見を元に、光線力学療法での使用に即した分子の最適化を行うと共に、新規光増感剤の機能評価をより高次の評価系であるショウジョウバエやゼブラフィッシュ等の動物モデル等を用いて行い、新規光増感剤の機能評価についてより詳細な検討を行っていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] β-galactosidaseにより光増感能が回復する新規光増感剤の開発2016

    • 著者名/発表者名
      千葉真由美、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      日本薬学会 第136回年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜、神奈川)
    • 年月日
      2016-03-28
  • [学会発表] Tumor Selective PDT with An Activatable Photosensitizer Targeted to γ-glutamyltranspeptidase (GGT)2015

    • 著者名/発表者名
      Mayumi Chiba, Yuki Ichikawa, Mako Kamiya, Norbert Lange, Yasuteru Urano
    • 学会等名
      Europian Society for Photobiology
    • 発表場所
      University of Aveiro (Aveiro, Portugal)
    • 年月日
      2015-09-03
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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