研究実績の概要 |
前年度における比較対象国の知的財産法制度に関する基礎研究、とりわけイギリス法のPassing offを中心に検討を行ったことを受け、次いで本年度においては、不正競争法のうち店舗内外装に関する準則に焦点を当てて、比較対象国の現状についての調査研究を行った。 前年度に引き続き、本研究が対象とする不正競争防止法2条1項1号と対応するイギリスのコモン・ロー上の不法行為概念であるPassing offにつき、Passing offにおいて特徴的なパブリシティ保護に関する準則について取り上げて検討を行い、論文を完結させた(拙稿「イギリスにおけるPassing offによるパブリシティ保護(三・完)―不正競争防止法・混同防止規定によるパブリシティ保護への示唆―」『法研論集』159号247-267頁)。 また、店舗内外装については、2016年12月に東京地方裁判所でコメダ珈琲店の店舗内外装への不正競争防止法2条1項1号による保護が日本で初めて認められた決定(東京地決平成28年12月19日Westlaw Japan 文献番号 2016WLJPCA12196001)が出された。これを受けて、アメリカ法との比較を通じて、本決定の日本法への影響について報告を行った(Tatsuyuki Suemune, "Protection on retail store design as indicators of the origin of source in Japan and the U.S.", Junior IP Scholars Workshop "Challenges and Opportunities for IP Protection",北海道大学, 2017年3月3日)。関連して、アメリカ連邦法におけるデザイン保護法制についての検討もおこなった。
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