研究実績の概要 |
1本研究では、膵癌形成におけるHes1の機能解析と、Hes1をターゲットとした新規治療法開発を目指す。 1. ヒト膵癌におけるHes1の機能解析 ヒト膵癌におけるHes1の発現に関しては、病変の段階(ADM, PanIN, PDAC)とHes1の発現の関係性の解析を免疫組織化学染色により行った。また、ヒト膵癌細胞株(MIA PaCa-2, BxPC3, Panc1)におけるHes1およびNotchシグナル構成因子の発現についてはRT-PCRにより検討するとともに、ヒト膵癌細胞株におけるHes1の機能解析を試みた。ヒト膵癌細胞株(Miapaca2、BxPC3、Panc1)に対して、CRISPR/Cas9システム、shRNA、Hes1阻害剤を用いることでin vitro, in vivoでの評価を行った。 2. マウス膵癌モデルにおけるHes1 の機能解析 申請者らは既に、成体膵特異的かつタモキシフェン誘導的にKRASおよびTP53遺伝子異常を導入可能なマウス膵癌モデルEla1-CreERT2;KrasG12D;TP53R172H マウスを作成している。タモキシフェン4 mgを皮下投与後、膵癌の形成・転移の有無を解析した。また同時に. マウス膵癌形成おけるHes1遺伝子ノックアウトEla1-CreERT2;KrasG12D;TP53R172H;Hes1f/f マウスを上記のマウス膵癌モデルと Hes1 flox マウスとの交配により作成し、癌の形成・転移の有無、異型度、増殖、浸潤などへの影響について、組織学的に検討した。
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