最近amyotrophic lateral sclerosis (ALS) 患者の全exon解析にて新たなALS/front temporal dementiaの原因遺伝子TBK1が同定された。通常状態でoptineurin、p62、TBK1はautophagosomeに局在しているが、TBK1に変異が生じるとTBK1はその機能を喪失し、autophagyが障害されこれら3つの分子は封入体として蓄積すると推測されている。 TBK1がoptineurinやP62の上流でautophagyの進行に必須であり、その機能喪失がautophagyの障害を引き起こすことはALS発症カスケードを想定する上で重要だ。野生型と機能喪失型TBK1プラスミドを用い、N2a細胞において野生型TBK1もしくは機能喪失型TBK1と野生型ubiquilin2もしくはALS関連変異型ubiquilin2そして野生型ubiquitinを共発現させ、免疫ブロットにより機能喪失型TBK1の与える影響を検討したがubiquitinの発現量に有意差は認めなかった。同様にTBK1-optineurin-ubiquilin2経路に与えるTBK1の作用を検討するため、TBK1の作用点であるoptineurinの217番目のアミノ酸塩基であるセリンをアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸にそれぞれ変化させた変異型optineurinプラスミドを作成し、N2aに各変異型optineurinを発現させ野生型もしくは変異型ubuquilin2そして野生型ubiquitinを共発現させ、免疫ブロットによりubiquitinの発現量を検討したが有意差は認めなかった。また野生型もしくは変異型ubiquilin2および野生型ubiquitinを共発現させたN2a細胞にTBK1阻害薬を作用させ免疫ブロットを行ったが、有意差は認めなかった。
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