現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年度(二年度目)の研究達成計画は以下の通りであった。 1. 補完的な面接調査を実施する。 2. 叙述・実行・質問に加え、説明のモダリティについても分析する。 3. 研究成果を国内外の学会や研究会で発表する。 4. 談話資料として公開できるように整理する。 二年度目も、1, 2, 3, 4の全てを達成することができた。(1)用例の収集は、特に、叙述のモダリティから、話し手の評価を表す文について、実行のモダリティから、意志・勧誘文について、質問のモダリティから、推論を含む質問文について多くの用例を収集することができた。(2)モダリティについて「実行・叙述・疑問」というラベリングおよび並びで分類を行なってきたが、「叙述」が「実行」よりも基本的なモダリティであると判断し、一番左端に移動した。「疑問」は、聞き手に尋ねるというモダリティを表すため「質問」という用語に変更した。また、意志文は「実行のモダリティ」に含めて分析を行なってきたが、実際には、話し手の「意志」を「伝える」文であるため、「叙述のモダリティ」に含めるのがよいという結論に至った。「説明」は専用の形式がないため、「叙述」に含めて記述した。(3)命令表現に関わるモダリティについては、第31回沖縄外国文学学会で発表し、命令形を用いた文が「命令」だけでなく、「許可・勧め・非難」等も表すことを述べ好評を得た。沖縄中南部語に含まれる首里方言のモダリティの特徴を明確にするために、国頭(沖縄北部)語に属する本部町山里方言について調査し、調査結果を第11回やんばる学研究会で発表することができ、今後の研究の発展に期待できると評価された。(4)談話資料として公開できるように整理し、一部を調査協力者に提供することができた。このように、二年度目も1, 2, 3, 4の全てを達成することができたため、当初の計画以上に進展していると判断した。
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