研究課題/領域番号 |
15J06103
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹谷 晃一 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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キーワード | 橋梁 / 振動発電 / 同調質量系 / 二質点系 / パラメータ設計手法 |
研究実績の概要 |
[テーマ(1)] 同調質量形式二質点系発電デバイス(TDMG)のプロトタイプを開発し,加振装置による振動実験と電磁気系の実験を行うことで,振動初d年の数値シミュレーションに必要なパラメータを計測・同定を行った.その上で等価回路で表現される発電装置と蓄電システムより,TDMGの発電解析モデルを構築し,発電量とロバスト性を考慮したパラメータ設計法(Multi-domain Parameter Design Method)を提案した. [テーマ(2)] 実際の橋梁で計測した振動データを用いて応答加速度と発電・竹田良の分析を行うため,橋梁振動の加速度計測を行い対象とする橋梁を選定した.対象橋梁においてTDMGの発電・蓄電が効果的となる設置位置の検討を行った.その結果,実橋梁の加速度からモード質量と減衰を同定し,等価質量を算出することで発電・蓄電に有利な設置位置の決定手法を提案した.さらに,選定した対象橋梁に対してTDMGが要求される発電性能を満たす発電装置の設計手法を提案し,FEMを用いた電磁場解析によって発電装置プロトタイプの設計・開発を行った. [テーマ(3)] 交通状況の日時による橋梁振動変化を把握するため,実橋梁において1週間のデータ計測・分析を行った.実橋梁におけるTDMGシステムの発電量と蓄電量及び各マスと橋梁の加速度から,橋梁と発電電力の周波数を分析した.その結果,発電量と大型車交通量に高い相関性があることを示した.発電装置が発電するエネルギー量と蓄電システムに充電されるエネルギー量を検討し,発電エネルギー効率について検討・考察を行った結果,開発したTDMGは吸収した振動エネルギーの半分以上を電気エネルギーに変換できることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に記載したテーマに基づいて,数値解析,設計手法の提案,装置の開発,実橋梁での実験,結果の分析を行い,これまで達成できなかったワットオーダーの発電電力を可能にした.加えて,得られた研究成果を以下の3つの論文にまとめ,掲載することができました. [発表論文1] 橋梁振動を対象とした同調質量系発電デバイスの構造形式と設計に関する検討,竹谷ら,2015. [発表論文2] Design and parametric study on energy harvesting from bridge vibration using tuned dual-mass damper systems,Takeya et al., 2016. [発表論文3] 橋梁振動を対象とした同調質量系発電デバイスの開発と実橋梁への適用,竹谷ら,2016.
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今後の研究の推進方策 |
今後,交通量や交通荷重,振動周波数と発電電力や蓄電エネルギーの相関性を今後さらに分析し,関係性が定量的に評価できれば,TDMGの発電電力やエネルギーを計測することで,交通量や交通荷重,橋梁振動周波数といった情報の長期的なモニタリングが可能になると考えています.
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