研究課題
microRNA、特に体内を循環している分泌型miRNAはエクソソームに内包されており、複数のmiRNAファミリーががん遺伝子を標的として作用していることが注目されている。で細胞間情報伝達機構に関与していることが知られている。現状の抗体を主とした免疫染色およびイムノアッセイによる解析は、煩雑で多段階のプロセスを要する古典的な生物学的手法に依存しており、高品質、経済的ながん診断プラットフォームを構築することが求められている。本研究では電気化学的な検出法に基づいたがんを迅速に検査するためのがん細胞/エクソソーム検出、またmicroRNA解析を目指した核酸の増幅と検出を同一に行うデバイス開発に取り組んだ。乳がん検出を目的とした小型・可搬型デバイスの作製を目指し、エクソソームのシアル酸発現量および等温核酸増幅技術に着目し、ターゲットを非標識に検出する新たな検出技術を確立した。当該年度4月以降はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)に場所を移し、国際共同研究を推進しながら本研究を展開した。得られた研究成果について積極的に学会発表を行っており、国内にとどまらず国際的にも本研究をアピールし、海外の研究者と広く意見交換を行った。将来的には、リアルサンプルであるヒト体液試料を用いた評価を目指し、エクソソームおよびmiRNAを検出するマイクロ流体デバイスをデザインすることに繋げていくため、マスクアナライザー、スピンコーター、ベーキング装置等を用いて、最適化した電極薄膜を搭載する診断チップを試作する。がんの早期発見に繋がる健診・検査受診率を向上させるため、また術後の予後管理を定量的に行い再発などの病状を的確に判断するためには、患者に負担や時間をかけることなく身近の診療所や在宅で、高精度・高感度にがんマーカーを検出できる本研究のような小型で簡易なバイオセンサの開発が有効であると考える。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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