研究課題
本研究では、申請者が行った震災前後のオフィス環境に関する継続的かつ大規模な調査により改善点として残ったA. 室温上昇に伴う知覚空気質の悪化およびB. 室内熱負荷減少に伴う空調運転の非効率化に着目した。2016年度はそれぞれ以下に示す課題に取り組み成果をあげた。A. 近年、生体発散物質が主たる室内空気汚染物質として再び注目されているが、人体各部位からの生体発散物質臭気の違いに着目した研究はないことから、2015年度にデンマーク工科大学にて皮膚および呼気由来の生体発散物質が知覚空気質に与える影響に関する被験者実験を行った。研究成果は、2016年7月に国際学会“Indoor Air 2016”にて口頭発表を行った。課題点の克服およびさらなる研究の発展のため、2016年度に再度デンマークに赴き環境条件を増やした追加実験を行った。結果、室内知覚空気質悪化の主原因は皮膚発散物質であり、室内のオゾンの存在よりも温度上昇がより臭気強度を強めること、手や前腕部が主要な臭気生成部である可能性を明らかにした。本研究成果をまとめ国際ジャーナルに投稿した。B. 震災後の内部負荷低減オフィスにおける空調機の運転状況の把握を目的に、震災後に竣工した、一般的なビル用マルチパッケージ型空調システムの室内負荷処理空調機(循環機)および外気負荷処理空調機(外調機)導入オフィスの実測調査を行った。同ビルの既往調査により分かった外気取入れ方法に関する問題点を踏まえ、外調機の運転方法変更が室内環境、電力消費量に与える影響を考察した。外調機の停止や過剰な稼働により外調機と循環機の運転バランスが崩れ消費電力量が増加した例が確認され、空調機の湿度設定が主原因であることがわかった。研究成果は国内学会に投稿し受領されており、2015年度の成果は2016年度の国内学会で発表した。以上を含む内容を最終的に博士論文として結実させた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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