研究課題
哲学的課題に関しては、Goodshipの提案に命題の整合性を加えることで得られる見通しの検討を行い、真矛盾主義的な理論の展開において問題とされてきた種々の問題に対して明快な答えを提示することが明らかになった。論理学的課題に関しては、二年目で得られた、命題の整合性に加えて、Graham PriestがIn Contradictionで提案したもののそれほど研究の進んでいない含意を含む体系の公理化について、これを論文としてまとめ、学術雑誌Logic Journal of the IGPLの命題の整合性を含む矛盾許容型論理に関する特別号に含まれることが決まっている。さらに、二年目に命題の整合性の研究に関連して、従来矛盾許容型論理の研究においてあまり着目されてこなかったHalldenの体系を命題の整合性を含む矛盾許容型論理として位置付けることに成功したが、これを発展させることでDamian Szmuc氏とともに更なる展開への足がかりを得た。数学的課題に関しては、特に二年目で思いがけず得られた成果の精査を行った。具体的には、Belnap-Dunn の体系を出発点とした上で、命題の整合性のみを加えた体系に基づく真理論をJc Beallの提案する方法で展開することは不可能であることが明らかになったが、この成果を Zach Weber氏と共に他の真矛盾主義的な真理論に対するアプローチと比べる形で論文としてまとめ、受理された。また、二年目に構築した命題の整合性と含意とを含む論理体系に基づく真理論や素朴集合論の展開に関しては、特に含意の否定に関して、Priestの提案する方法とある含意の否定の捉え方とを合わせることは不可能であることが判明し、この点に関しては目下論文としてまとめているところである。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Logic Journal of the IGPL
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The Australasian Journal of Logic
Logique et Analyse
Logic, Rationality, and Interaction. LORI 2017. Lecture Notes in Computer Science, vol 10455
巻: - ページ: 268~283
https://doi.org/10.1007/978-3-662-55665-8_19
巻: - ページ: 79~93
https://doi.org/10.1007/978-3-662-55665-8_6