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2015 年度 実績報告書

新規オートファジーシステムにおける基質核酸の選択性とそのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15J06868
研究機関東京大学

研究代表者

長谷 勝徳  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2018-03-31
キーワードオートファジー / RNautophagy / DNautophagy / LAMP2C / RDA / LAMP2 / リソソーム / RN/DNautophagy
研究実績の概要

最近、RNautophagy/DNautophagy (RDAと略)というリソソームがATP依存的にRNA/DNAを直接取り込み、分解するという新規RNA/DNA分解システムが発見された。さらに、これらのシステムにおいて、リソソーム膜タンパク質であるLAMP2Cが核酸受容体の1つとして機能することも明らかにされた。しかし、これらのシステムにおいて基質RNA/DNAの選択性が存在するのかどうかは不明であった。よって、今年度は主に、RDAの基質となるRNA/DNAの特徴の解析を行った。
まず、LAMP2Cの核酸結合ドメインのペプチド(LAMP2Cペプチドと略)と単一の塩基からなる4種類の1本鎖RNAを用いてプルダウンアッセイを行った。その結果、LAMP2Cペプチドはpoly-A、poly-U、poly-Cと結合しないという一方で、poly-Gとは結合した。DNAにおいても同様の実験を行ったところ、RNAと同様に、LAMP2Cペプチドは選択的にpoly-dGと結合した。
続いて、LAMP2Cペプチドと結合したRNA/DNAが実際にRDAの基質となるのか解析した。マウスからリソソームを単離し、RDAによる核酸取り込み実験を行ったところ、結合実験の結果と一致して、RDAはpoly-G/dGを選択的に取り込んだ。さらに、電子顕微鏡を用いた解析を行い、poly-Gがリソソームの内側に取り込まれていることを確認した。
以上のことより、RDAの受容体であるLAMP2Cがある程度の選択性を有し、同様の選択性をRDAにおいても有するということがわかった。以上のことを論文にまとめ、報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

RNautophagy/DNautophagyがある程度の選択性を有することを示し、論文として報告することができたので、上記の判定とした。

今後の研究の推進方策

核酸との結合を解析する生化学的実験などを実施し、課題の達成を目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Lysosomal putative RNA transporter SIDT2 mediates direct uptake of RNA by lysosomes2016

    • 著者名/発表者名
      Shu Aizawa, Yuuki Fujiwara, Viorica Raluca Contu, Katsunori Hase, Masayuki Takahashi, Hisae Kikuchi, Chihana Kabuta, Keiji Wada & Tomohiro Kabuta
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: 12 ページ: 565-578

    • DOI

      10.1080/15548627.2016.1145325

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] RNautophagy/DNautophagy possesses selectivity for RNA/DNA substrates2015

    • 著者名/発表者名
      Hase K, Fujiwara Y, Kikuchi H, Aizawa S, Hakuno F, Takahashi S, Wada K, Kabuta T
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Res.

      巻: 43 ページ: 6439-49

    • DOI

      10.1093/nar/gkv579

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2016-12-27  

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