研究実績の概要 |
申請者は「アニメや漫画のような個性豊かな映像作品を効率的に制作するため、専門的なスキルを持たないユーザ(デザイナ)の直観的な操作で作品を制作するために,前年度に引き続き「アーティスト(アニメータ)の感覚的なスキルの定量化の技術」「3Dモデリングシステム」の改善に加えて,複数のプロジェクトに従事した. 一つ目は、原作となる漫画作品のコマを基にアニメ作品のキャラクタの動きやカメラワーク演出を決定する事に着目し,「あらゆる動作にはキメとなる瞬間(フレーム)が存在する」を立てた.その仮定を基に,原作漫画のコマ割りとアニメ作品との相関関係の分析を行った.この結果を用いて,任意の動画から漫画を制作することが可能となった.更に言語学や心理学の分野で議論されていた「音象徴」の理論を利用し、アニメ作品の擬音語を数値化することで,任意のシーンに最適な擬音語を決定する手法も同時に開発した. 二つ目は「3Dモデルを作るための新たなモデリング方法」である。従来のスケッチ(輪郭線ベース)、画像をトレースするモデリングと異なり,提案する操作方法は画像上に複数の点群を配置するだけのものである.プロのデザイナ(3DCGの専門知識なし)やCGモデラ(3DCG作品の制作経験有)を対象としたユーザテストを行った.ユーザテストの内容としては,(1)提案システムの使いやすさの検証,(2)生成結果に要する時間、満足度を調査するものである。その結果、提案するモデリング手法は、特に簡易的な3Dモデルの制作に対して有効性を示した. 更に、申請者は共同研究として「キャラクタの二次動作を生成する手法」「衣服モデリング」「イラストを実写の人物に変換する手法」にも着手した.
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