研究課題/領域番号 |
15J07633
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 貴大 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | 分類学 / 系統学 / ホソヒラタムシ |
研究実績の概要 |
本研究課題では,かなり密度の高いサンプリング努力が求められるため,世界中の分類群のサンプルが必要となる.また,分子系統解析を予定しているため,DNA情報の残った新鮮なサンプルを必要とするため,海外における野外調査が欠かせない.そのため,本年度の計画は分子系統樹推定のためのサンプル収集に重点を置いていた.そこで,本年度はサンプル収集のために,東北,マレーシア(半島・ボルネオ島),アメリカ(南西部),ニュージーランドで調査を行い,重要なサンプルを確保することができた.特に,マレーシアでは,新属新種を発見したため,その記載論文をZootaxa誌に投稿した(採録決定済). また,標本調査をFlorida State Collection of Arthropods(アメリカ合衆国フロリダ州),New Zealand Arthropod Collection(ニュージーランド),オーストラリア連邦科学産業研究機構(オーストラリア)で行った.これらの施設を訪問することによって,日本では所蔵されていない分類群の標本を調査・借用することができた.加えて,これら3施設には,ヒラタムシ上科(本研究課題で扱うホソヒラタムシ科が含まれる分類群)に造詣の深い研究者が在籍しているため,研究に対する助言や情報交換を行った.特に,フロリダとニュージーランドの研究施設には,共同研究者が在籍しており,それぞれのプロジェクトについて議論を交わした.また,アメリカ合衆国フロリダ州で開催されたXXV International Congress of Entomologyに参加して,学会発表を行い,参加者との交流を深めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね,当初の予定通りに進展している.DNA配列決定は本年度に予定していたが,ニュージーランド・オーストラリア調査が3月となったため,この調査の後にまとめて配列決定を行うことにした.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は分類学,系統学と菌との関係に関する研究という3つの研究内容を相関させた内容となっている.分類学的研究はおおむね目標に達成しつつある.系統学的研究はサンプル収集は議論を行う上で十分量手に入ったと考えているため,あとは配列決定と系統解析を進める.菌との関係については,基本的な手法を習得したので,これを他の分類群に適用することで,情報量の蓄積に努める.
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