研究課題/領域番号 |
15J07638
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
田渕 恵 関西学院大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | 世代間相互作用 / 利他性 / 知恵 / 高齢者 / 世代性 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】 本研究では,高齢世代が経験を活かして次の世代を助け,助けられた次世代がその経験を基にさらに次の世代を助けるという,世代を越えて巡る利他性の仕組みと,その中で達成される心理的発達の解明を目的としている。本年度は,高齢世代と若年世代が同じ課題に取り組む中で,いかに高齢世代から若年世代への知恵の授受が行われているのか,その世代間相互作用の実態を明らかにすることを目的として,実験を行った。 【研究の実施】 今年度は,高齢世代と若年世代を対象とした実験室実験を行った。実験には,両世代が知恵を出し合って取り組むことのできる積み木課題を用いた。課題を行っている場面での両世代の相互作用を詳細に捉えるため,映像データおよび音声データを用いて行動・会話分析を行った。その結果,高齢者が初対面の相手である若者に対してまず行動を促す働きかけを行い,それに答える形で若者が新しい行動の提案を行い,それに対して高齢者がポジティブなフィードバックを行うという,年齢による明確な役割分担を行っていることが明らかとなった。利他的行動場面における世代間相互作用が円滑に進む背景には,高齢世代が若年世代に対して,これまでの経験によって獲得された社会的スキルを発揮している可能性が示された。この成果について国内外の学会で発表を行い,また学術雑誌にも投稿を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験は順調に進んでおり,研究の成果報告に向けた論文執筆等も滞りなく進んでいる。映像データおよび会話データの分析には時間を要しているが,分析補助員の協力を得て着実に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も引き続き,高齢者と若者を対象とした実験室実験,およびフィールドでの応用研究を予定している。実験ではより密な相互作用を取り上げた課題を用いることで,世代間相互作用の実態を明らかにすることを計画している。
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