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2015 年度 実績報告書

ERK MAPキナーゼの新規基質分子MCRIP1による脂肪細胞分化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 15J07710
研究機関東京大学

研究代表者

WENG JANE SHIHCHIEN  東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
キーワードERK / MCRIP1 / CtBP
研究実績の概要

ERK MAPキナーゼ経路は細胞増殖や分化を制御するシグナル伝達システムである。ERKが様々な遺伝子の発現を亢進させることはよく知られているが、近年、特定の遺伝子発現を抑制する機能も併せ持つことが分かった。しかし、そのメカニズムや生理的意義は不明である。当研究室では、独自に開発したスクリーニング法を用いて、ERKの新規基質分子MCRIP1(MAPK-regulated Co-Repressor Interacting Protein 1)を同定することに成功した。これまでの結果から、MCRIP1が転写抑制補因子CtBPの機能阻害を介して、ERK依存的遺伝子発現抑制(ERK-induced gene silencing)に寄与することを明らかにした(Mol. Cell. (2015))。一方でCtBPは、個体発生、分化、代謝等多くの生命現象の制御に関わることも知られている。そこで、個体レベルにおいてMCRIP1の生理機能を解明するため、MCRIP1欠損マウスを作製した。
本研究では、MCRIP1欠損マウスの表現型を特定し、生体内におけるMCRIP1の機能を明らかにすることを目的として研究を行った。
MCRIP1欠損マウスの表現型解析及び組織病理学の解析から、MCRIP1は個体発生や特定の臓器の分化に関与していることを明らかにした。現在、MCRIP1による生命機能のメカニズムを調べている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MCRIP1欠損マウスの表現型解析から、MCRIP1が個体発生や特定の臓器の分化に重要な役割を果たしていることを見出した。MCRIP1欠損マウス新生児の全身組織を生化学実験及び病理解析を行い、その分子メカニズムが明らかになりつつある。このため、研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は、樹立したMCRIP1欠損マウスを用いて、個体発生におけるその役割をより詳細に解明する。先行研究により、MCRIP1はCtBPの機能制御を介して、様々な遺伝子発現の制御に関わることを見出している。そこで更に、個体発生においてMCRIP1-CtBPシステムの標的になっている遺伝子を同定する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] MCRIP1, an ERK substrate, mediates ERK-induced gene silencing during Epithelial-Mesenchymal Transition by regulating the co-repressor CtBP2015

    • 著者名/発表者名
      Kenji Ichikawa, Yuji Kubota, Takanori Nakamura, Jane S. Weng, Taichiro Tomida, Haruo Saito, Mutsuhiro Takekawa
    • 雑誌名

      Molecular Cell

      巻: 58, 1-12 ページ: 35-46

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.molcel.2015.01.023

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] The functional analysis of a novel ERK substrate, MCRIP12015

    • 著者名/発表者名
      Jane S. Weng, 中村貴紀, 武川睦寛
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド (兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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