本年度は、2か所の下水処理場でパイロット実験を実施した。一つは2m3規模のパイロットスケールの消化液循環活性汚泥処理槽(高圧噴射装置付き1基と対照系1基)の運転管理を行った。もう一つは4m3規模のパイロットスケールの凝集剤添加消化液循環活性汚泥処理槽(高圧噴射装置付き1基と対照系1基)の運転管理を行った。その結果として高圧噴射装置の導入により余剰汚泥を40%まで減容化できることが示された。また、高圧噴射装置の導入は有機物、窒素などの溶存成分の除去性能に影響を及ぼさなかった。これまで高圧噴射装置により処理水中の浮遊物質が増加してしまう問題が見られたが、今回は高圧噴射装置の稼働割合を制御することで、浮遊物質の流出増加は認められなかった。 運転期間における微生物の群集王増の変化を追跡した結果、高圧噴射装置の導入により真核生物、原核生物、いずれも大きな変化が見られ、高圧噴射装置により微生物由来の有機物を同化することが報告される種が増加するなど興味深い結果が得られた。
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