研究課題/領域番号 |
15J09202
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
菅沼 雅徳 横浜国立大学, 環境情報学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | 異常検知 / 動画像処理 / 自己組織化モデル |
研究実績の概要 |
人は与えられた環境において見慣れない刺激(異常,ノベルティ)に対して適切に注目することができる.本研究では,この人が異常に対して注目できる異常検知能力に着目したモデルを提案し,提案したモデルを用いて医用動画像の自動解析・認識・診断に関する研究を行う.特に,本研究では手術動画像からの工程解析に重要なイベント検出,内視鏡画像群からの病変画像検出を行う予定である. 平成27年度は,与えられた動画像を繰り返し観測するだけで環境の正常性を記憶し,記憶した正常性とは異なる刺激を異常として検出する自己組織化モデルを提案した.提案した異常検知モデルの性能検証として,医用動画像と比べてデータ内の多様性が低い監視カメラ映像からの侵入物体検知問題に適用した.実験の結果から,頻出する木の揺れや変動する背景などの日常的な変動には反応せず,異常対象である歩行者や車両に適切に反応することができることが確認できた.以上の研究成果について,論文発表を行った. 今後は,提案した異常検知モデルの高精度化と医用動画像への適用を行う予定である.まず,昨年度に提案したモデルについて,構造の可視化やより複雑な環境に適用することで,更なる高精度化について検討する.次に,提案モデルを手術動画像からのイベント検出,内視鏡画像群からの病変画像検出へ適用することで,提案モデルの有効性を検証する.このとき,医用動画像は膨大な量が存在するため,GPUを用いた並列計算処理を行うことで提案モデルの処理高速化を行う.以上の研究成果について,国内・海外学会発表,論文発表を行っていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医用動画像の自動解析・認識・診断のために,まず平成27年度は異常検知を行うモデルを提案することを研究計画としていた. 結果として平成27年度では,異常検知のための自己組織化モデルを提案し,さらに監視カメラ映像からの異常検知問題に適用することで提案モデルの性能評価を行うことができた. 異常検知モデルの提案と動画像中の異常検知実験によって高精度な異常検知結果が得られたことから,進捗はおおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は医用動画像より多様性が低い監視カメラ映像からの異常検知問題を扱ったが,今年度からは提案した異常検知モデルを医用動画像へ適用する.具体的には,手術動画像からのイベント検出や内視鏡画像群からの病変画像検出などの問題を扱う予定である. また,提案した異常検知モデルの高精度化や高速化のために,モデルの可視化やGPUによる並列計算処理などを行う予定である.
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