研究実績の概要 |
平成28年度は当初の研究計画どおり、平成27年度に実施した「インタビュー調査」による研究結果に基づき、地域包括支援センターの専門職による認知症が疑われる高齢者への受診援助の実践を促進・阻害する要因を明らかにすることを目的に「アンケート調査」を実施した。 35都道府県内に設置されている地域包括支援センターのうち、2,000か所を無作為抽出し、各センターに3通ずつ、計6,000人を対象にアンケート調査を実施した。その結果、地域包括支援センターの専門職が認知症が疑われる高齢者を発見するために構築しているネットワークの構造が明らかになった。また、認知症が疑われる高齢者の鑑別診断のための受診援助における「かかりつけ医との連携」「認知症専門医のいる医療機関との連携」といった各々の実践に関連する要因が確認された。なおこれらの研究成果の一部については、日本老年精神医学会の学術誌「老年精神医学雑誌」に論文投稿を行い、28巻1号に掲載されるとともに、第18回日本認知症ケア学会大会(沖縄県)ならびに第32回日本老年精神医学会(愛知県)にて学会発表をすべく、準備を進めているところである。 また平成27年度の「インタビュー調査」による研究成果についても、第17回日本認知症ケア学会大会(神戸国際展示場)で学会発表を行い、現在論文投稿中である。 現在は「インタビュー調査」ならびに「アンケート調査」により収集されたデータを詳細に分析するとともに、平成29年度に実施予定の調査に向けた準備を行っているところである。
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