研究課題
アントラセンが縮環したπ拡張チアンスレンの合成を行いその酸化種の物性を明らかにした。その結果、チアンスレンの酸化とは異なった挙動を示し、電気化学酸化および化学酸化のどちらにおいてもジチアノナセンにはならず、二つのラジカルカチオンが左右のテトラセンに局在することが吸収スペクトルから明らかになった。この結果はESRや分子軌道計算からも支持され、軌道計算からベンゼン環の縮環数を縮小しても同様の結果になることが示唆された。この成果は国際紙RSC advancesにて発表した。また有機トランジスタ材料としてナフタレン縮環TTFbismide (DIN-TTF)の合成も行った。DIN-TTFの合成を行った理由はテトラセン縮環TTFへの導入する電子求引基としてイミド基に着目したためである。その結果炭素数12のアルキルを導入してもDIN-TTFは難溶性を示すことが明らかになった。そこで蒸着によりトランジスタ特性を明らかにした。その結果、トランジスタとして動作しDIN-TTFが半導体特性を示すことが明らかになった。またイミド基上に導入するアルキル基が伸張するにしたがい移動度が低下する。これはXRDによりアルキル基の伸張によりトランジスタに有利なエッジオン配向性からフェイスオン配向性へと変わるからである。これらの結果を国際紙に発表するべく、論文を執筆中である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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ECS Journal of Solid State Science and Technology
巻: 6 ページ: M3068,M3074
RSC Advances
巻: 6 ページ: 70700, 70703
10.1039/c6ra13036d