研究課題/領域番号 |
15J09887
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
佐々木 俊介 帝京大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | ウェイスト・ピッカー / インフォーマル・リサイクル / 廃棄物最終処分場 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、現地調査に関しては、これまでにも行ってきたインドネシアに加え、マレーシアおよびカンボジアにおける調査を開始した。 平成28年度は、前年度までに行ってきた調査のまとめを行うとともに、マレーシアおよびカンボジアにおける調査を開始した。インドネシアでは、前年度までと同様にブカシ市バンタル・グバンのスラム街における調査を行った。マレーシアでは、ジョホール・バルにおける2つの廃棄物最終処分場において調査を行った。カンボジアでは、プノンペン市における廃棄物最終処分場および路上で活動するウェイスト・ピッカーやジャンク・バイヤーを対象に調査を行った。 各国についての具体的な調査は以下のとおりである。インドネシアにおける調査では、研究手法や研究テーマは基本的に前年度までと同様であるが、スラム街の家庭用水の調査など、これまでに行ってきた都市人類学的な調査とは大きく異なる調査も開始した。マレーシアにおいては、今後行う本格的な調査の事前準備としての調査を行った。調査は、現状ではまだ1度しか行っておらず、詳細な情報は得られていない。しかしながら、調査を行うための人的なネットワークの構築や、調査の足掛かりとなる情報については既に入手している。カンボジアに関しては、予備調査の段階を終え、平成29年度において本格的な調査を開始する準備が完了している。カンボジアへは平成28年度において2回渡航しており、廃棄物最終処分場に加えて、路上で活動するウェイスト・ピッカーの活動やジャンク・バイヤーの調査も行っている。 なお、平成28年度は、学会発表を5回行い、そのうち1回はポスター発表賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、現地調査に関しては、これまでにも行ってきたインドネシアに加え、マレーシアおよびカンボジアにおける調査を開始するなど、現地調査については順調に進んでいる。とりわけ、マレーシアやカンボジアに関しては、調査のための足掛かりを作ることができたため、大きな進捗があったと考えている。 また、学会発表を、廃棄物系の学会で2回、環境学系で1回、政治学系で1回、教育学系で1回の計5回行っており、そのうち、廃棄物系の学会においてポスター賞を受賞するなど、今年度は、研究内容が多かった上に、充実した内容にすることもできている。 加えて、現在2報の論文の執筆中であり、1つは、インフォーマル・リサイクルと廃棄物処理の融合に関する論文であり、必要となる調査結果については既に得ている。もう1つは、調査地における児童労働についてであり、いくつかの追加データが必要になるが、必要なデータのほとんどを得ることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、マレーシアおよびカンボジアについての研究を中心に進めていく。また、インドネシアについては、水質や大気環境などについての調査も行う。 マレーシアおよびカンボジアについては、基本的に、インドネシアにおけるこれまでの調査で作成した調査票を用いて研究を行う。ただし、各国に固有の現象もあるため、その分については、個別に対応していく。 インドネシアについては、所属先である帝京大学をはじめ、国立環境研究所および昭和大学など、国内の大学および研究所とともに、調査地の大学との連携を進めながら研究を行う。とりわけ、現地での実験が必要になるものについては、現地の大学の研究者に依頼して行う。
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