今後の研究の推進方策 |
新規次世代免疫不全マウスによりヒト骨髄増殖性腫瘍をマウス内で再構築することが可能となれば、フローサイトメトリー技術などを用いて腫瘍性幹細胞の純化・同定を行う。また、新規次世代免疫不全マウスの開発により、ヒト細胞の生着率は大幅に改善され、今まで困難であった幹細胞ニッチの解析への応用が可能となる。これらの純化した腫瘍性幹細胞・ニッチ構成細胞のプロファイリングを、次世代シーケンサーを用いたディープシーケンスで行うことにより、腫瘍化メカニズムおよびその幹細胞維持機構を明らかにしたいと考えている。 また、現在はHarvard Medical School, Division of Hematology, Brigham and Women’s Hospital に研究留学し、ゲノム改変技術であるClustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats: CRISPRを用いて骨髄球系悪性腫瘍の遺伝子発現プロファイリングを行っている。プロファイリングにおいては、次世代シーケンサーを用いてディープシークエンスを行い、膨大なデータから腫瘍におけるessentialなfactorを見い出す技術・知識を修得中である。ここでのプロファイリング技術は、骨髄増殖性腫瘍における純化した腫瘍性幹細胞のプロファイリングへの応用が期待でき、腫瘍幹細胞化メカニズム及びその維持機構を明らかにし、腫瘍幹細胞の治療標的となる分子の同定が可能となっていくと考えている。
|