研究課題
本研究の目的は緑茶抹を長期に摂取するランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験の実施により認知機能に対する茶の作用のエビデンスを確立し、同時に行動・心理症状に対する作用を検討することである。また、平成27年度の研究実施計画は本試験を実施することとした。目的を達成すべく、研究実施計画に従い試験を計画し、遂行した。試験の計画にあたっては、申請者らが先行して実施した試験を参考にすると共に、茶やその成分の認知機能低下に対する作用について、これまでに明らかになっていることを調査した。基礎、臨床研究の双方について調査し、調査結果は学会において発表した。成果をまとめた論文は、国内外の学術誌に掲載された。調査の結果を考慮し、研究実施施設(東京白十字病院、白十字ホーム)との調整を行い、実施計画書等の必要書類を作成した。必要書類に基づき、静岡県立大学倫理審査委員会の承認を得た。承認後、研究実施施設と協働で参加者の募集を行った。参加者数は、申請者らが先行して実施した試験の結果に基づき設計し、32名と定めた。主要評価項目は認知機能の変化とし、副次評価項目は1)行動・心理症状の変化、2)関連する臨床検査値の変化とした。研究実施施設での参加者募集の結果、例数は満たされた。試験開始前に参加者の背景情報を調査し、併せて、介入前の評価(認知機能、行動・心理症状等の評価及び臨床検査)を行った。試験開始後、1ヶ月毎に施設を訪れ、実施状況や問題点を調査した。また、3ヶ月毎に認知機能、行動・心理症状等の評価及び臨床検査を行った。結果、27名が試験を完遂した。試験遂行の意義は、認知機能に対する茶の作用のエビデンスを確立することであり、試験の遂行なくエビデンスを確立することは不可能であるため学術的・社会的重要性も高い。
2: おおむね順調に進展している
研究実施計画に従い試験を計画し、遂行したため、進捗状況は「おおむね順調に進展している」と評価できる。試験の計画にあたっては、これまでに明らかになっていることを調査し、調査結果を学会及び国内外の学術誌で報告した。調査の結果を考慮し、研究実施施設との調整を行い、実施計画書等の必要書類を作成した。必要書類に基づき、静岡県立大学倫理審査委員会の承認を得た。承認後、研究実施施設と協働で参加者の募集を行った。参加者募集の結果、33名が試験に参加し、27名が試験を完遂した。
今後、背景情報、介入前の評価結果、3ヶ月毎の認知機能、行動・心理症状等の評価及び臨床検査の結果を集計し、データを固定する。データの固定後、主要・副次評価項目(認知機能、行動・心理症状、及び関連する臨床検査値の変化)について解析を行うと共に、成果の学会発表、国際誌への投稿を行う。また、平成27年度に実施した臨床試験は単一の施設を対象としたランダム化比較対照試験である。そこで、主要・副次評価項目の評価結果及び実施過程で得られた改善点を踏まえ、有効性評価に基づく症例数設計を基本としたより多くの認知機能低下者を対象とする多施設共同試験に向けた臨床試験実施計画を策定する。
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