研究課題
本研究の目的は、日本の中等教育学校における熟達英語教師が授業の実践に用いる母語の効果的な発話を検証し、効果的な発話理論を構築することである。この目的を達成させるため、近畿圏および首都圏の公立中学校及び高等学校の約11校でフィールドワークを行い、実際の英語の授業への参与観察と授業の録画、及び教師へのインタビューを行った。分析手法には談話分析及び会話分析のアプローチを用いて教師の発話を中心とした録画データの分析を行った。初年度は計量的な談話分析分析の手法を用いて主に次の結果を得た。1)授業中に英語で説明行う際に学習者の説明理解に効果的な影響を及ぼす教師の母語の利用は発話文の中で内容語として用いられること。2)母語を使用した後に授業内の使用言語を英語に戻し、そのまま英語に維持する手段として特定の談話標識が効果的に用いられること。3)授業の秩序維持という目的において生徒に何等かの行動を促す際には母語の特定の単語を用いることが効果的に働くこと。2年目以降からは、上記で得られた結果を生徒との相互行為の中で再検証する必要性が生じ、会話分析を用いて再度分析を行った。その結果次の結果を得た。1)教師は生徒同士の使用言語を目標言語に維持するために特定の会話連鎖を組織し、限られた母語の名詞句を用いて生徒同士の使用言語を操作可能にしていること。2)教師は授業で母語を利用した生徒のいくつかの呼び名を使用することで生徒からの応答の種類を操作することを可能にしていること。以上の分析結果は査読付きの国際学会で7件、及び国内学会で1件口頭発表を行い、広く専門家からのフィードバックを得た。更に得られたコメントや助言を基に内容を修正し、最終的な研究成果として論文にまとめたものは、5本の和文論文、及び4本の英語論文として刊行され、研究成果として公開されている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Focus on the Learner. Tokyo: JALT
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
『大阪大学大学院言語文化研究科 (編), 相互行為研究3 ―インタビューの相互行為分析― 言語文化研究科共同プロジェクト2018』
Classroom Discourse
巻: ‐ ページ: 1~17
10.1080/19463014.2017.1407947
Journal of Pragmatics
巻: 117 ページ: 41~57
10.1016/j.pragma.2017.05.011
第69回日本教育社会学会大会発表論文集
巻: 69 ページ: 280~281
大阪大学大学院言語文化研究科 (編), 相互行為研究3 ―メディアと談話―言語文化研究科共同プロジェクト2016
巻: なし ページ: 31~40
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