現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケトンのエナンチオ選択的シアノシリル化反応に有効な本キラルリチウムホスホリルフェノキシド触媒は幅広いケトンに有効で、非常に短時間(9時間)で最高99%収率、98% eeで目的のシアノ化生成物が得られ、さらに30グラムスケールでの適用も可能であった。本研究成果は国際ジャーナル(Angewandte Chemie International Edition 2016, 55, 4021ー4025、Synfacts, 2016, 12, 395にもハイライトされる。)に掲載され、さらに、高い評価を頂き、Cover Pictureに採用された。また、化学工業日報や中日新聞に本研究成果が掲載された。 第46回中部化学関係学協会支部連合秋季大会 特別討論会で本成果を発表し、VIP賞を受賞した。 現在、本触媒を用いた不飽和アミドの不斉共役シアノ化反応においても最高92% eeを発現しており、今後の研究も期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
ケトンのエナンチオ選択的シアノシリル化反応に有効な本キラルリチウムホスホリルフェノキシド触媒を不飽和アミドの不斉共役シアノ化反応への適用を行った。不斉共役シアノ化反応で得られるβーシアノアミド生成物は様々な化学変換が可能で、非常に有用な光学活性物質である。検討の結果、N-ピロールアミドに有効で、最高99%収率、93%eeで目的生成物を得た。今後は、さらに挑戦的な研究として、α,β,γ,δ-不飽和アミドの1,6付加選択的な不斉共役シアノ化反応の開発を行う。
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