研究課題
本研究の目的は、知的障害児・者の視覚探索機能について、基礎的視覚機能と視覚走査機能の観点からの検討・解明、そして、それらを融合された教育的指導・支援方法の開発・検討である。今年度は、配列や刺激種といった環境要因による視覚探索への影響について、3歳から6歳の定型発達児及び知的障害児・者において検討した。課題は、1種の刺激を探索するキャンセレーションタスクを用いた。条件として、刺激が文字である条件と絵である条件、及び全ての刺激が整列している条件とランダムに配置されている条件の4条件を行った。またそれ以外に、言語性認知と視空間性認知との関連についても検討を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。まず、定型発達児では、年齢を問わず、ランダム配列において絵刺激が文字刺激よりも、絵刺激においてランダム配列が整列配列よりも有意に成績が高かった。また発達の観点では、4歳から5歳にかけて変化が見られた。このことより絵を探索する場合には、刺激は必ずしも整頓されている必要がないことが示唆された。次に知的障害児・者については、文字刺激では整列配列がランダム配列よりも、絵刺激ではランダム配列が整列配列よりも成績が高かった。このことより、文字を探索する場合には、文字列を整列させるという支援が、絵を探索する場合には必ずしも整頓されている必要がないことが示唆された。今後は、得られたデータを基に、支援方法の原則を構築し、知的障害児・者への適用可能性を検討する必要がある。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
東京学芸大学紀要総合教育科学系Ⅱ
巻: 68 ページ: 185-191
Journal of Inclusive Education
巻: 2 ページ: 29-37
巻: 1 ページ: 146-154
巻: 1 ページ: 124-131
上越教育大学研究紀要
巻: 36 ページ: 109-115