研究課題
骨髄細胞からマクロファージの調製を行い、細胞機能の変動を評価した。細胞機能の変動:野生型マウスおよびNCX1遺伝子欠損マウスの骨髄細胞よりM-CSFを用いてマクロファージを調製した後、LPS 10 ng/mlで刺激した。LPS処置後0時間、4時間、12時間、18時間の培養上清中よりBio-Plex MAGPIX装置を用いて23種類のサイトカイン産生能を一斉評価した。LPS処置後4時間でIL-6の産生能が野生型マウス由来マクロファージに比較してNCX1遺伝子欠損マウス由来マクロファージでは有意に減少することを明らかにした。一方で、同時に測定を行ったその他の22種類IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-9、IL-10、IL-12p40、IL-12p70、IL-13、IL-17A、Eotaxin、G-CSF、GM-CSF、IFN-γ、KC、MCP-1、MIP-1α、MIP-1β、RANTES、およびTNF-αでは野生型マウス由来マクロファージとNCX1遺伝子欠損マウス由来マクロファージでは有意な差は認められなかった。マクロファージの機能はサイトカイン産生能だけではないため、次年度以降は、他の機能である貪食能や遊走能についても評価を行う予定である。さらに、NCX1に加えて、NCX2およびNCX3遺伝子欠損マウス由来マクロファージを用いてNCX1と同様の解析を進める予定である。
2: おおむね順調に進展している
3種類存在するNCX1、NCX2、NCX3の内、マクロファージに最も多く存在するNCX1に焦点を当てて解析を行った。その結果、NCX1遺伝子欠損マウス由来マクロファージについて特定のサイトカイン産生能に変動が認められることを明らかにした。しかしながら、検討した多くのサイトカイン産生能には明確な変化を見い出すことはできなかった。マクロファージにNCX1が発現していることは確認済みであることから、NCX1の機能的役割は、サイトカイン産生能以外のマクロファージ機能に関与する可能性が考えられる。一方で、特定のサイトカイン産生能だけに変化が認められたことから、詳細なメカニズムの解析は必要であると考える。
次年度以降は、他の機能である貪食能や遊走能についても評価を行う予定である。さらに、NCX1に加えて、NCX2およびNCX3遺伝子欠損マウス由来マクロファージを用いてNCX1と同様の解析を進める予定である。
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