平成29年度は粒子群最適化(Particle Swarm Optimization: PSO)と呼ばれる群の性質を用いた経験・発見的な手法に基づくアルゴリズムを用いたメッシュルータ配置位置最適化システム(WMN-PSO)と焼きなまし法(Simulated Annealing: SA)や山登り法(Hill Climbing: HC)といった局所探索法を組み合わせた手法に基づいた知的ハイブリッドシステムの性能評価を主に行った。これらの知的ハイブリッドアルゴリズム(PSOHC、PSOSA)は、PSOの広域探索能力と、SAやHCといった局所探索法の持つ局所的な探索能力により、それぞれの欠点を補い合い、またそれぞれの利点を享受することが可能である。本メッシュルータ配置位置最適化システムでは、まず問題となるネットワークを設計し、そのネットワークにおけるメッシュルータの配置位置を知的ハイブリッドアルゴリズムによって最適、もしくは準最適な位置に決定する。これらの知的ハイブリッドアルゴリズムに基いたシステムによって最適化されたネットワークと、既存の単一アルゴリズムによるシステムによって最適化されたネットワークを比較し性能評価を行った。その結果、PSOとHCやSAを組み合わせた手法に基づいた知的ハイブリッドシステム(WMN-PSOHC、WMN-PSOSA)は、従来の単一アルゴリズムによる知的システム(WMN-PSO)と比較しより良い性能を有していることを明らかにした。本研究は、無線メッシュネットワークにおけるメッシュルータ配置位置最適化に対して、知的ハイブリッドアルゴリズムが有効であることを明らかにした。
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