当該年度において申請者は研究課題である海綿動物由来の天然物の生合成機構の解明に取り組むにあたり、多くの関連酸化酵素の結晶化及びその機能解明に尽力した。具体的には、酸化酵素AusE、 PrhA、AndAの機能解析である。中嶋は採用二年度までにAusE及びPrhAの結晶の作成に成功し、PrhAとその基質との複合体構造の取得による活性残基の特定を行い、変異導入による機能改変に成功していた。当該年度においては更なる詳細な解析を行い、その成果をNature communication誌にて報告した。また、当該研究は東京化学同人「現代化学」にて寄稿予定である。申請者は引き続き関連酵素AndAの機能解析に着手し、基質との複合体構造の取得に成功した。さらに変異体解析、コンピューターシミュレーションによる詳細な機能解析を行い、現在、その研究成果はJournal of the American Chemical Societyにて査読中である。 これらの成果は当該年度において複数の学会で口頭発表及びポスター発表により成果報告を行った。
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