研究課題
実績1. NIPPON DATA2010ベースラインデータの解析主研究課題「社会的要因を中心とした高血圧有病・未治療・コントロール不良を規定する因子の解明」に関して、一昨年度、国民代表集団の大規模コホートNIPPON DATA2010ベースラインデータ(20歳以上の男女2623名)を解析し得た下記の成果①~③について、英語論文を作成し、国際高血圧学会誌「Journal of Hypertension」2017年2月号に掲載された。①独身かつ1人暮らしの者は、既婚者に比べ高血圧(140/90 mmHg以上)有病割合が有意に高値。 ②上記結果について、性差、年齢による差を認めなかった。③高血圧無自覚・未治療・コントロール不良に関連する社会的要因は認めなかった。実績2. NIPPON DATA90と平成2年国民生活基礎調査との統合データクリーニング作業NIPPON DATA90は1990年(平成2年)に実施された第4次循環器疾患基礎調査および国民栄養調査の受検者を対象とした約8000名のコホート研究である。NIPPON DATA90対象者は同年の国民生活基礎調査の受検者でもあり、今回、世帯支出、世帯構成、婚姻状況といった社会要因の解析を行う目的で、データの統合作業を一昨年度に実施済みである。昨年度は、統合データのクリーニング作業を実施し、変数のずれ、外れ値といったデータの整合性を細かく確認した。私はその実務を主として担当した。本年度は、この統合データセットを使用した、社会要因と循環器死亡との関連について解析検討していく予定である。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記載の研究1および研究2に関して、進捗を報告する。研究1:社会的要因を中心とした高血圧有病、無自覚、無治療、コントロール不良の規定要因の解明に関しては、論文化が完了したため、当初の予定通り進展したといえる。研究2:社会的要因と脳心血管疾患との関連の解明に関しては、解析用データセットの整備までは到達したが、解析作業には至ることができなかった。以上より、完全に予定通りではないが、おおむね順調に研究は進展していると考えられる。
本年度は、研究2:社会的要因と脳心血管疾患との関連の解明の解析作業、論文作成を主として進める。研究2ではNIPPON DATA90コホートと平成2年国民生活基礎調査との統合データを使用する。加えて、1980年の循環器疾患基礎調査の受験者を対象としたコホートNIPPON DATA80と、同年(昭和55年)の国民生活基礎調査の前身調査である厚生行政基礎調査、国民健康調査、国民生活実態調査、および保健衛生基礎調査とのデータ統合を予定している。年度内にデータ整備が完了すれば、可能な限り研究2と合わせて解析を実施する予定である。
すべて 2017 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)
Journal of hypertension
巻: 35 ページ: 401-408
10.1097/HJH.0000000000001169.
https://hs-web.shiga-med.ac.jp/Nippondata/NIPPONDATA2010/index.html