研究課題/領域番号 |
15J30001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 和歌奈 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | 生命 / 文化人類学 / 科学技医術論 / 実験室研究 / 科学と社会 |
研究実績の概要 |
報告者は、今年度の前半神戸の某研究所においてフィールドワーク(科学者へのインタビューや実験室やラボミーティング、研究報告会での参与観察)を行った。また、研究所内でしか入手できない資料などを収集したほか、生命科学に関する書籍や資料を入手した。また、2016年6月にタイ、バンコクで開かれた国際人類民族科学連合(IUAES)で研究発表を英語で行った。また、京都大学人文科学研究所で開かれたワークショップ(米国ニュースクールのニコラス・ラングリッツ氏がコメンテーター)、アムステルダム大学のEating body groupのミーティング、ワークショップ “Japanese Scholar Afternoon”で英語の原稿を発表し、研究内容に対して生産的なコメントを得た。さらに、今年度の後半には、アムステルダム大学に客員研究員として在籍し、科学技術の人類学と科学技術論を専門とするアネマリー・モル教授とその研究グループにコメントをもらうなどして、理論や記述について発展させることができた。また、アムステルダム大学の人類学科の学生が主催する勉強会やリーディンググループに参加し、科学技術の人類学に限らず、医療人類学などに関する理論や概念も強化することができた。加えて、アムステルダムに滞在しながら、イギリスのカーディフ大学(ジョアンナ・ラティマー教授、マーラ・ミーレ教授)とレスター大学(スティーブ・ブラウン教授、マリア・プイグ・デラ・ベラカーサ教授)を訪問し、関連の研究者にコメントをもらった他、科学技術の人類学や科学技術論を学ぶ修士や博士課程の学生と交流を深め、若手のネットワークを作ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文執筆が主で、フィールドワークはあまり進まなかったものの、理論や記述について研究を大きく前進させることができた。とりわけ、本研究の主となる概念や理論について整理することができた。また、アムステルダム大学に滞在し、科学技術論の先駆者であるアネマリー・モル教授とその研究グループにコメントをもらいながら、執筆作業を進めることができ、さらにアムステルダムを拠点に国際ネットワークを広げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、複数の場所でフィールドワークを開始し、データ収集を行い、1年目で得た、理論や概念とでデータをつきあわせて、さらに研究を発展させることを試みている。8月には、バルセロナでおこなれる科学技術論の国際会議に出席し、関連のパネルで発表し、海外の研究者からコメントを得る。その後、再びアムステルダム大学に滞在し、研究グループとの議論を重ねながら論文執筆に取りかかる。
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