現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでに、多面体の展開図の列挙において、辺展開によるによる展開図の列挙アルゴリズムを拡張することで、正方形展開による展開図の列挙アルゴリズムを開発している。このアルゴリズムにより、1 x 1 x 7 の直方体の正方形展開を与える切り方の列挙に 0.1秒、1 x 3 x 3 の直方体の正方形展開を与える切り方の列挙に 71.53秒、√5 x √5 x √5 の直方体の正方形展開を与える切り方の列挙に 354.64秒と高速に結果を与えることに成功している。実際、たとえば 1 x 1 x 7 の直方体の正方形展開は、同形なものを除去する前の状態で 6,671,469,328通り、1 x 3 x 3 の直方体の正方形展開は 37,054,664,336通りであり、ZDD(零抑制型二分決定グラフ)により圧縮しながら解を列挙する手法の利点が活かされている。また、上記の各直方体の切り方から、実際に 1 x 1 x 7 と 1 x 3 x 3 の2つの直方体の正方形展開をそれぞれ列挙し、共通の展開図を得るのに 7.7日を要した。さらに √5 x √5 x √5 の直方体の正方形展開を列挙して、これら3つの直方体の共通の展開図を得るのに、2.5日を要した。以上、Intel Xeon E5-2643 (3.3G Hz), 128 GB メモリの PC 上で単一プロセスにより、合計 10.2日で実行ができるようになった。これまで、CRAY XC30 上で 500以上の並列プロセスにより約2か月の時間を要していたため、1000倍以上の高速化を達成している。以上のように、当該年度の研究は好調に進展している。
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