研究課題/領域番号 |
15K00015
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
立木 秀樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (10211377)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ボトム入り文字列 / 並列計算 / プログラム抽出 / コンパクト集合の表現 / タイリング |
研究実績の概要 |
従来考えられてきた,カントール空間表現やボトム入り文字列空間への埋め込みではなく,ボトム入り文字列空間での(単射的に限らない)表現について考えた。通常のカントール空間上での表現とボトム入り文字列空間での表現で,それらより導出される計算概念は変わらない。しかし,表現に必要なボトムの個数という表現の性質が,空間に関する何らかの特徴に対応しているのではないかと考えられる。まず,カントール空間のコンパクト集合のなす空間の表現を考え,有限集合に対しては,表現に必要となるボトムの個数と,集合の濃度が等しくなるような表現を与えた。それから,計算的にコンパクトなハウスドルフ空間で,計算的な proper dyadic subbase をもつ空間においても,そのような表現が作れることを示した。Arno Pauly 氏と共同研究を行い,arXiv にドラフト論文を載せ,CCA 国際会議で発表を行った。arXiv:1604.00258。
ボトム入り文字列を入出力する計算には,非決定性が必ず現れる。非決定的な計算に対応する論理を考え,その論理における証明から非決定的に動作する並列なプログラムを抽出する枠組みの構築を目指して,Ulrich Berger 氏と共同研究を行った。この論理は,計算に必要な並列計算の並列度も表現できるものである。そのための論理を作り,realizability interpretation を考え,グレイコードと符号付き2進表現との間の変換のプログラムの抽出を行った。
また,イマジナリーキューブHとTによる空間の充填形が,4次元空間における 16-cell による空間充填を3次元超平面で切断し,それをある方向に拡大することにより得られることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二つの国際的な共同研究をすすめることができ,片方は,arXiv に論文を掲載し,国際会議で発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
非決定性に対応する論理に関する共同研究をさらに進め,論文にまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月末に予定していた出張が,先方の都合により,4月に延期された。
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次年度使用額の使用計画 |
4月のはじめに,その出張を行った。これからも,国際共同研究を中心として,研究をすすめていきたい。
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