研究課題
IoT社会における暗号プリミティブとして注目されている、拡大体上に定義される楕円曲線・超楕円曲線暗号については、高速実装や軽量化コンパクト化の研究と同時に、安全性保障も急務とされている。特に 拡大体上に定義されている楕円・超楕円暗号に対して、GHS攻撃と呼ばれる攻撃が知られており、さらに一般的な被覆攻撃に拡張されたが、この攻撃に対する暗号系の安全性解析は殆ど進んでいないのは現状である。本研究では、既に被覆攻撃は、現在使用されている楕円・超楕円暗号に対して極めて危険であることを示してきた。さらにその数学的構造の解明によって、攻撃される弱い曲線の分類手法を確立し、これらの曲線すべてを列挙すると同時に、安全な曲線を明示し、さらに任意の曲線に対して安全性を判定する方法を開発することを目的としている。今までは、楕円や超楕円曲線が定義されている有限拡大体の拡大次数が素数の場合に関して、GHS攻撃あるいは被覆攻撃の対象となる奇標数の楕円曲線の完全分類を、前年度まで完成したが、IoT暗号の高速かつコンパクト実装に適している有限拡大体の拡大次数は、小さな素数とそのべき乗の積となるスムーズな合成数である場合が最も多い。そこで、本年度では、楕円曲線の定義体の有限体の拡大次数が、素数であるのみならず、合成数である場合については、GHS攻撃また被覆攻撃の対象となる楕円曲線について、暗号デザイン時に使用する曲線の中から除外すべく、弱い曲線の列挙と完全分類を行った。
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Number Theory Related to Modular Curves, Contemporary Mathematics, Amer. Math. Soc.
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