研究課題/領域番号 |
15K00047
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
内藤 貫太 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (80304252)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 機械学習 / 高次元 / 関数推定 / 平滑化 |
研究実績の概要 |
補正関数を用いたセミパラメトリック関数推定を高次元の枠組みで研究することを目的とする。機械学習で用いられる様々な関数推定との関連から、高次元の設定における「セミパラメトリック関数推定」と「機械学習」の新たな融合を目指す。 28年度においては特に、低次元多様体に説明変数が埋め込まれた状況での回帰関数のノンパラメトリック平滑化に関する研究を進めた。従来のユークリッド空間での推定で知られていたバイアス縮小の技術が、低次元多様体の設定でも装備できることが理論的にも示せことが大きな成果である。数値的検証を含めた成果を論文にまとめ投稿し、採択されるに至っている。 高次元パターン認識のためのナイーブ正準相関の高次元漸近理論に関する研究も推進した。フィッシャー線形判別関数は高次元の枠組みではそのままでは利用できないことが知られており、それに替わる1つの方法としてナイーブ正準相関に基づく判別関数の利用が議論されてきた。しかしながら、その判別関数の理論的挙動を調べる上で重要となる、ナイーブ正準相関の高次元漸近理論はほとんど構築されていない現状があった。そのため、ナイーブ正準相関の高次元、特に次元が標本数に比べ圧倒的に大きい状況での漸近挙動を調べ、得られた結果を論文にし投稿するに至っている。 高次元データ解析に有用であることが知られているカーネル法にナイーブ正準相関を拡張し、カーネルナイーブベイズという高次元パターン認識の新たな判別関数を提案し、得られた理論的・数値的結果を論文にまとめ投稿した。その内容は、香港での国際会議にて講演発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
28年度においては、ヒト胎児発生過程の歪曲度解析に関数推定が応用された論文が出版された。また、ヒト胎児発生過程の多次元スタンダード構築に、自ら新たに提案された平滑化手法が果敢に応用された論文が採択となり、低次元多様体に説明変数が埋め込まれた状況での回帰関数のノンパラメトリック平滑化に関する論文も採択されるに至っている。このような状況であり、概ね順調に進んでいると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載した計画の変更は特に必要ないと判断する。29年度は特に、経験リスク最小化アルゴリズムに基づく高次元における回帰関数の推定の研究を推進する。
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