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2017 年度 実施状況報告書

2×2分割表における因果効果の正確検定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K00057
研究機関近畿大学

研究代表者

千葉 康敬  近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (80362474)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード因果推論
研究実績の概要

今年度は、昨年度に引き続き、提案した弱い因果帰無仮説に対する正確検定手法とそれに対応する正確な信頼区間(Chiba, Journal of Biometrics and Biostatistics 2015; 6: 244)に関して、さらに議論を深めるとともに拡張を試みた。
まず、層別解析への拡張を行った(Chiba, Biometrical Journal 2017; 59: 986-997)。計算(時間とメモリ)に限界があるために強い因果帰無仮説に対してであるが、層別しない場合、既存の方法(Jung, Biometrical Journal 2014; 56, 129-140)、提案法をシミュレーションで比較した。結果は、提案法の検出力が最も高いことを示した。また、弱い因果帰無仮説については、実際例で上記3つの方法を比較した。強い因果帰無仮説に対するシミュレーションと同様、提案法の検出力が最も高かった。
次に、結果変数が順序カテゴリカル変数である場合への拡張を行った(Chiba, Statistics in Medicine 2017; 36: 3966-3975)。ここでは、正確な検定と信頼区間に加えて、因果効果の仮定によらない最狭存在範囲を導出するための数値計算法も提案した。しかし、層別解析同様、計算(時間とメモリ)に限界があるという欠点がある。
これまでに提案してきた一連の方法は、信頼区間が因果効果の仮定によらない最狭存在範囲の範囲内に存在するという利点がある。しかし、区間推定はランダム化に基づく方法を採用しているのに対し、点推定はそうではない。この部分をうまく処理する方法について、現在論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」で記載した拡張を順調に進めることができた。ほぼ当初の計画通りの進捗状況と言える。

今後の研究の推進方策

投稿中の論文を採択させることを最優先で行う。
最終年度となる今年度は、これをさらに、主要層別効果、交絡を調整する方法、予後・予測因子の検討へと拡張する予定である。ここまでのことができれば、あとは組み合わせによって応用範囲がかなり広がる。時間に限りがあるが、ここまでのところをまとめて次のステップへと進みたい。

次年度使用額が生じた理由

都合がつかず、予定していた国際学会発表をすることができなかった。そのために次年度使用額が生じた。
主として、SAS(統計解析ソフト)の年間ライセンス契約料、英文校正料、論文掲載料に補填する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Stratified exact tests for the weak causal null hypothesis in randomized trials with a binary outcome2017

    • 著者名/発表者名
      Yasutaka Chiba
    • 雑誌名

      Biometrical Journal

      巻: 59 ページ: 986-997

    • DOI

      10.1002/bimj.201600085

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sharp nonparametric bounds and randomization inference for treatment effects on an ordinal outcome2017

    • 著者名/発表者名
      Yasutaka Chiba
    • 雑誌名

      Statistics in Medicine

      巻: 36 ページ: 3966-3975

    • DOI

      10.1002/sim.7400

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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