研究課題/領域番号 |
15K00067
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
嘉田 晃子 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 室長 (70399608)
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研究分担者 |
平川 晃弘 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (90609330)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 疾患登録 / 疾患レジストリー / コホート研究 / 介入研究 / バイアス |
研究実績の概要 |
本研究では、疾患登録のデータを有効に用いて治療法を確立するための研究デザインを、1)疾患登録内介入研究、2)疾患登録内コホート研究、3)予後調査のある疾患登録内コホート研究の3つの場合において提案する。本年度は具体的に次の2つの臨床研究において研究デザインを設定した。すなわち、限局性皮質異形成II型のてんかん発作に対する治療薬の安全性と有効性を検討する試験では、希少難治性てんかんレジストリーを利用する介入研究のデザインを設定し、実施計画書に反映した。短期的な発作発現頻度を評価するために、レジストリーでは不十分な発作発現頻度の情報を収集するコホート研究を設定した。解析段階では患者背景分布を確認し、効果の大きさを推定する予定である。 また、小児再発・難治性急性白血病に対する低用量抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリンを用いたT細胞充満HLAハプロ移植の安全性と有効性を検討する試験では、日本造血細胞移植データセンターを外部対照群として利用する介入研究の計画を設定した。そこでは、長期的な無イベント生存期間を評価する計画とした。解析段階では、疾患レジストリーと介入研究の類似性の検討が重要となり、傾向スコアを用いた効果の大きさの推定を試みる。 近年に疾患レジストリの利活用やマスタープロトコル試験などの新たな臨床試験デザインの概念が提唱され、マスタープロトコル試験の1つであるバスケット試験のデザインと解析法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)疾患登録内介入研究については、実際の疾患登録データを用いた分析を2試験において設定した。これらに用いた疾患登録は、2)疾患登録内コホート研究、3)予後調査のある疾患登録内コホート研究としても利用可能であったため、2)3)の研究も検討した。さらに、新たな臨床試験デザインの1つとしてバスケット試験のデザインと解析法を検討した。
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今後の研究の推進方策 |
実際の治療薬開発における、臨床試験および臨床研究のデザイン設定を踏まえ、状況に応じたストラテジーを整理し、希少疾患において適応可能な情報としてまとめる。バスケット試験の検討成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画時の目的は達成したものの、以下の研究が継続中であり、延長を申請する。 1. 症例数再設定に関する研究過程において、新たな着想により、想定していなかった研究成果が得られ、その結果の取りまとめが来年度になるため。 2. 計画時は予定していなかったが、近年に疾患レジストリの利活用やマスタープロトコル試験などの新たな臨床試験デザインの概念が提唱され、本年度に研究の方向性を変更したため、その成果の取りまとめに一定の期間を要するため。
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