研究実績の概要 |
本課題の目的は,1Mb~4Mbの大規模メモリをユニットとする「メモリをベースにしたマイコン周辺回路用フィールドプログラマブルデバイス」の新しい回路アーキテクチャを開発し,主たる部分を設計することによって,その有効性を実証することであった.H27, 28年度をかけて,レジスタとデコーダを組み合わせることにより,スイッチボックスを使用しないで,大規模メモリをプログラマブルデバイスとして有効に使用できるアーキテクチャを考案した.最終年度にあたるH29年度の研究実績は以下の通りである. (1)C言語モデルの構築:32b CPUを想定し, 考案したアーキテクチャを1Mbの大規模メモリ上に具現化し,種々のマイコン周辺回路をプログラマブルに実現できるC言語モデルを構築した. (2)C言語モデルによるプログラマブル機能の確認:構築したC言語モデル上で,マイコンの基本的な周辺回路であるカウンタ/タイマ,PWM,FIFO機能を組込み,プログラマブル機能を確認した. (3)RTLモデルの設計とFPGAへの実装:構築したC言語モデルを元に,RTL設計を行い,考案した回路アーキテクチャを模擬するRTLモデルを構築した.更にRTL設計されたモデルをFPGAに実装し,その上にカウンタ/タイマ,PWM,FIFO機能を実装し,意図したプログラマブルな動作がH/W上で確認できた.これにより,同一ハードウェア上で複数種類のマイコン周辺回路を再構成できることが実証できた. その他,前年度までに体系化したマクロ命令の応用として,パケットフィルタにおける検索ルールの自律的な登録・削除機能に関する論文を発表した.
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