研究課題/領域番号 |
15K00077
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
黒木 修隆 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90273763)
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研究分担者 |
沼 昌宏 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60188787)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 画像処理 / CAD / FPGA / GPU / 超解像 |
研究実績の概要 |
近年はスマートフォン、ディジタルカメラ、監視カメラ等の普及により、写真や画像を加工するアプリケーションの開発競争が激化している。本プロジェクトは平成27年度~平成29年度の3年間で、画像処理ソフトウェアおよびハードウェアの統合開発環境を構築することを目標としている。これにより、短期間で様々な環境(CPU・GPU・ASIC)に画像処理機能を搭載することが期待できる。 初年度(平成27年度)は、既に開発済みのモデルベース設計ツールである“Image Processing Builder”において、世界的に普及している画像処理ライブラリである“OpenCV”に互換のデータ構造を採用し、その内部構造を再構築することを目標とした。なお、“Image Processing Builder”はホームページ(http://cas.eedept.kobe-u.ac.jp/WelcomeES1/IPBuilder/index.html)上で一般公開している。現在のところ、ソフトウェア(CPU)および一部のハードウェア(FPGA)の開発のみが可能となっているが、今後はGPUによる開発環境の公開に向けてプロジェクトを進めて行く。 テスト用の画像処理アプリケーションとして、“人工知能型の超解像”、“コンクリート表面検査システム”、“自動監視カメラシステム”、“医用診断機器OCTのノイズ除去システム”等を想定しており、ソフトウェア・シミュレーションによって動作確認を行った。上記の研究成果は学術論文、国際会議、国内会議等で発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度(平成27年度)はC++の統合開発環境としてMicrosoft社の“Visual C++/CLI”を採用する予定であったが、近年はPCやスマートフォン等のマルチOSに対応したコンパイラが次々に登場し、上記のコンパイラが開発効率の面で必ずしも最適とは言えない状況になった。そこで、将来を見据えて当初の計画を変更し、最新の“Visual C#”を採用することになった。これにより数ヶ月の遅れが発生している。 なお、GPU開発のための環境整備は予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトは計画通り2年後に“CPU・FPGA・GPUの同時開発が可能なモデルベース設計ツール”の完成を目指す。初年度は将来の開発効率を考慮して設計環境を変更したことにより、若干の遅れが発生したが、プロジェクト全体への影響は少ないと考える。次年度(平成28年度)はモデルベース設計ツールのインターフェース部の完成を急ぐと共に、予定通り“Cコード自動生成エンジン”の構築を目指す。 なお、上記の成果は各種学会・論文等で報告すると共に、ホームページ(http://cas.eedept.kobe-u.ac.jp/WelcomeES1/IPBuilder/index.html)上に随時公開することにより、社会に貢献する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当年度の残額は通常の価格変動による誤差程度(全体予算の1.6%程度)であり、備品を購入できる金額ではない。そのため、次年度に使用を持ち越した。本プロジェクトの支出計画に大きな変更はない。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度への繰越額は通常の価格変動による誤差程度(全体予算の1.6%程度)であり、本プロジェクトの支出計画に大きな変更はない。
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