本研究は、サイバーフィジカルシステム (CPS) を構成する組込み LSI の高信頼化を実現するための設計技術の開発を目指すものである。CPS では、これまでの組込みシステムと同様に、厳しいハードウェアリソース制約とリアルタイム制約があるだけなく、大量の情報を処理する必要がある。本研究では、このような特徴を持つ CPS の高信頼性を実現するための動作モデルの構築、CPS 固有の耐故 障性・故障許容性の定義、そしてそれらに基づく LSI 動作合成システムの提案・開発を目指すものである。 平成30年度は、CPS における時間制約下での演算精度と制御系の安定性、ならびに安全度要件を満たすための構成要素(機能モジュール)の設計法を考察した。自動車の運転支援システム・自動運転システムを想定し、いくつかの構成要素に対して、システムの安定性と要求される安全度を維持可能な設計例を示すことができた。
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