研究課題/領域番号 |
15K00100
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高井 利憲 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 客員准教授 (10425738)
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研究分担者 |
高橋 和子 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30330400)
松野 裕 日本大学, 理工学部, 准教授 (70534220)
木藤 浩之 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 客員研究員 (90705287)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アシュアランスケース / 論証 / 議論 / インテグリティレベル / ソフトウェア受け入れテスト |
研究実績の概要 |
* 議論学を応用したインテグリティレベルを提案するにあたり、以下を実施した。 1. インテグリティレベルを適用する分野のケーススタディを進めた。具体的には、自動車の自動運転における運転操作システム、ドローンを用いることを想定した宅配システム、介護施設における介護ロボットについて、インテグリティレベルを定義するための基礎となるシステム定義やリスク分析、安全性論証などの成果物を作成した。本成果については、主に産業界におけるアシュアランスケースに関する事例を共有することを目的とする研究会であるD-Case研究会で発表した。 2. 議論学を応用したソフトウェアの受け入れテストの効率化手法を提案した。本提案は、議論学に基づくアシュアランスケースの、既存のソフトウェア開発プロセスの効率化に関する応用研究である。本成果については、安全性に係わるソフトウェアの開発手法などを発表する場であるクリティカルソフトウェアワークショップにおいて発表し、一般講演の部の最優秀賞を頂いた。 3. 現在までに知られているソフトウェア開発手法について、議論学の視点から調査したサーベイを実施した。本調査は、本研究で目指すインテグリティレベルの提案と、既存のソフトウェア開発手法との関係について明らかにするための活動の一つである。 アシュアランスケースにおける論証の合成に関する意味論の提案については、昨年度までの成果や上記ケーススタディなどに基づき検討を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度以降の計画は、議論の合成の代数的性質を用いて、アシュアランスケースのための、論証の合成の議論学に基づく意味論を定義する、及びアシュアランスケースにおける論証集合の意味論に基づくインテグリティレベルを定義し、評価可能な枠組みを与え、その有効性を評価することであった。本年度は、これらの提案をするための裏付けとなる、産業界での使用を想定したケーススタディの実施や、これまでに提案されているソフトウェア開発手法の調査、及びそれらと連携する手法の提案に注力したため、予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
* 最終年度については、本年度以降の目標である目標である、議論の合成の代数的性質を用いて、アシュアランスケースのための、論証の合成の議論学に基づく意味論を定義する、及びアシュアランスケースにおける論証集合の意味論に基づくインテグリティレベルを定義し、評価可能な枠組みを与え、その有効性を評価することを実施予定である。そこでは、本年度のケーススタディや調査などを裏付けとする手法を提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたPCについて、現状まだ秘密情報を扱っていないため、今年度の購入は見送った。また、国際会議についても、予定していた会議に投稿できなかったため、参加を見送った。
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次年度使用額の使用計画 |
秘密情報を扱うPCを購入する。また、得られた成果を国際会議に投稿する。
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