本研究では分散エミュレーション環境において、端末間で影響を及ぼすイベント実行時に因果関係の矛盾を発生させないことを目的とした。イベント実行時の各端末のイベント実行内容を統一し、端末間の因果関係の矛盾を改善する。これまでは、2ホップ以上先にある端末を考慮したマルチホップ通信の正確なエミュレーションが、イベント範囲外の端末から取得する情報の不足、及びエミュレーション結果の判定を行う端末の不一致により困難であった。本研究では、送信端末の1ホップ先にある受信端末側で生成した乱数値を元に、2ホップ圏内の端末で同一値とさせることによりマルチホップ通信のエミュレーションをより現実的なものにした。
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