研究課題/領域番号 |
15K00127
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
塚田 晃司 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (80372671)
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研究分担者 |
中島 敦司 和歌山大学, システム工学部, 教授 (90283960)
湯崎 真梨子 和歌山大学, 産学連携・研究支援センター, 教授 (50516854)
揚妻 直樹 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60285690)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 森林内ネットワーク / 中山間地域 / センサーネットワーク |
研究実績の概要 |
日本国土の70%弱を占める中山間地域と呼ばれる傾斜地や山林周辺には多数集落が存在し,第一次産業の衰退,高齢・過疎化,自然災害の脅威等多くの地域固有の課題を抱えています.社会的課題の解決にICTが活用される事例は多いのですが,中山間地域では,通信インフラ,電力インフラが不十分な地域が多く,課題解決にICTを有効活用することが難しいのが実情です.そこで,森林地域等の条件不利地で利用可能な地域情報通信インフラ「森林内ネットワーク(Forest Area Networking)」を提案します.森林内における通信性能特性の明確化とともに,長期の定点運用調査によって実運用を前提とした課題を明確にし,森林内ネットワークの実現・実用可能性を評価します.
(1)森林内における無線通信による情報配信手段の提案:2015年度に実施した森林内での通信性能特性の測定結果をもとに,森林内におけるセンサー情報収集手法の提案とシミュレーションによる有効性評価を実施しました. (2)森林内における太陽光発電特性の測定:森林内の実験設備を3ヶ所で日射量計,気温,バッテリ充電電圧等を通年で観測しています.2016年度は新たな実験設備の増設に向けての準備を実施しました.2017年度前半に設置,運用開始を目指します. (3)実験フィールドがある和歌山県古座川町平井区の住民の方々に,研究内容,成果についての報告会を開催しました.また,その場で中山間地域における地域固有の課題についての意見聴取を実施しました.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)森林内ネットワークのプロトタイプ実装 2015年度に誘導雷で機材が故障した影響で,センサー情報収集手法のシミュレーションによる性能評価は完了しているが,フィールドで性能評価をするためのプロトタイプ実装作業が遅れている.また,使用する機材により,消費電力も大きく異なってくるため,機種選定に時間を要した. (2)地域課題の明確化 当初計画通り実施できた.
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今後の研究の推進方策 |
(1)地域課題への適用可能性検証 地域住民の方々,ならびに,フィールドである北海道大学和歌山研究林の意見をもとに,森林内における気象データ,動植物モニタリングなどセンサネットワークの活用について検証していく. (2)全体総括 3年間の研究活動の成果について関連学会等で報告する.
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度の機器故障による現地作業の出張回数が減った分,2016年度に現地出張を増やす計画であったが実現が困難であった.
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度は最終年度であり,現地での実証実験も実施するため,計画的な現地訪問で予算を使用する.また,実証実験に必要な機材も計画的に買い増しすることで予算を使用する.
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