インターネットの消費電力は年々増加しており,その低減は急務の課題である.本研究の目的は,消費電力の低減を目的関数として仮想網を物理網に収容する問題(仮想網マッピング問題)を対象として,1) 数理計画法により消費電力の下限値を導出すること,および,2) グラフ抽象化モデルであるブロッキングアイランドを利用して多項式時間で極力下限値に近い解を得られる仮想網マッピング技術を確立することである.平成29年度は,まず,仮想網マッピングエミュレータに対して,ノードマッピングだけでなくリンクマッピングをも行えるように拡張を施した.具体的には,仮想リンクの識別子であるVNIを経路選択時の指標として用いることで,各仮想リンクに対して個別に所望の物理経路をマッピングできるようにした.次に,拡張した仮想網マッピングエミュレータの動作確認実験を小規模実験ネットワーク上で行い,所望の仮想網が物理網上に適切に構築されることを確認した.
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