研究実績の概要 |
インターネットの普及・発展、および、M2M(Machine-to-Machine)/IoT(Internet of Things)など人間が直接的な通信主体ではない情報(ビッグデータ)の爆発的な増加に伴い、トラヒックエンジニアリング(Traffic Engineering, TE)の重要性はさらに高まっている。具体的には、送受信ノード間のトラヒック到達可能経路が複数あり、かつ、転送トラヒック量が増加した時、 1) 収容トラヒックの要求QoS(Quality of Service)を満たしつつ、 2) 複数経路を活用してネットワーク資源を有効に活用する、 ことを目的とするが、トラヒック発生ノードの空間的な変動、および、短期的なトラヒック減少に基づく省電力化を意識する場合(省電力TE)、その実現において上記の2)は、2') 少数のリンクや構成機器にトラヒックを集約して低利用ネットワーク資源を遮断する、となる。 本研究課題では、トラヒック発生ノード群の空間的なダイナミクス、および、発生時点や送信量の時間的なダイナミクスを考慮し、ネットワーク利用を最低限に留めて余剰資源を遮断する省電力TE、もしくは、資源を最大限に利活用し転送品質の充足を優先する輻輳緩和TEを行う統括的な手法を提案、評価する。 平成29年度は、無線網におけるアクセスポイントの時間的な統括的TEのためのTCPのフロー制御/輻輳制御機構の提案、および、MPTCP(Multi-Path TCP)を利用したEnd-to-Endの空間的な統括的TEの実現手法の検討と、両者の評価を通して本研究課題の統括を行った。
|