研究課題/領域番号 |
15K00138
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
廣津 登志夫 法政大学, 情報科学部, 教授 (10378268)
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研究分担者 |
藤田 悟 法政大学, 情報科学部, 教授 (40513776)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | OpenFlow / C-Plane / 仮想化 / 自律制御 |
研究実績の概要 |
マルチスケールSDNの制御機構として必要になる『OpenFlowによる制御ネットワーク構築技術』、『負荷・ポリシ制御技術』、『運用を考慮した管理技術』について、制御ネットワーク構築技術の高度化を進めると共に、負荷・ポリシ制御技術、管理技術の基盤としての仮想化の研究に取り組んだ。 制御ネットワークについては、仮想ノードのレプリケーションを用いたコントローラの冗長化/負荷分散技術を開発しプロトタイプの実装を行った。また、コントローラの冗長化について、開発環境の依存性をなくすプロキシ型のフレームワークも実現した。 負荷・ポリシ制御技術については、OpenFlowアーキテクチャで負担の大きな処理としてDDoS対策の基礎技術を、経路制御が重要になる処理としてOpenネットワークの妥当性検知を実装し、次年度の制御技術の研究の基礎を作った。また、エンドレベルのサービスとネットワークの資源量などを統合して制御するための基礎技術の候補としてサービスドミナントロジックに関する調査・検討を行った。 管理技術については、今後のSDNのマルチスケール性の方向として、マルチテナントという複数の独立なSDNネットワークを一つのSDNネットワーク上に仮想的に共存させる技術に関する研究を進めた。具体的には、当初計画ではワークフローのコード化を軸に計画していたが、マルチスケール性を考慮した実運用に向けては、SDN自身の仮想化技術が重要であることから研究領域を拡大した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
制御ネットワークの構築技術については、冗長化/負荷分散のための高度化が順調に進んでいる。負荷・ポリシ制御については、本年度は準備的なシステム実装であったが、フローの検証については、管理技術における仮想化の一部として実現した。管理技術については、技術動向の推移に併せてマルチテナント向け仮想化の研究に対象を拡大しており、全体として順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度展開したマルチテナント向けのSDN仮想化は、マルチスケール性の実現に重要であると考えられるので、仕様面を再検討した上で性能を確保する実装を進める。ポリシ制御については、高負荷のコントローラ処理の負荷分散を例として、具体的な実装を進める。 完成段階に進んだ内容については、国際会議論文などの形で成果の対外的な発表に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
SDN/OpenFlowの広がりにより実験機材が想定より安価で済んだ。また、学生の卒業研究・修士研究の枠内で研究が進んだため、謝金支出が少なくて済んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
研究分野を拡大したマルチテナント仮想化について、実験環境の拡大と成果発表のために使用する。また、実験環境は負荷に対するポリシ制御についても共用する。
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