研究課題/領域番号 |
15K00140
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
渡邊 晃 名城大学, 理工学部, 教授 (50360235)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | エンドツーエンド通信 / 見守りシステム / 行動認識 |
研究実績の概要 |
分散型TLIFESを実現するにあたり、エンドツーエンド通信が必須である。エンドツーエンド通信の要となるNTMobile技術を確立するため、以下のような研究開発を実施した。NTMobileの実現に必要となる装置群を開発し、動作検証を行った。エンド端末用には、スマートフォンを対象として、NTMobileをユーザランドで実現した通信ライブラリを開発した。実ネットワークがIPv4の環境において、限定的ではあるが動作を検証した。 IPv4グローバルアドレスの枯渇問題から、NTMobileで使える仮想IPアドレスの数に制約があり、これまではシステム規模が限定されていた。仮想IPアドレスはこれまで通信識別子としての役割を果たしていたが、通信ごとに割り当てる通信識別情報PathIDを別に定義し、PathIDと仮想IPアドレスを端末内部で紐づける方法により、仮想IPアドレス数に係わる制約をなくした。動作検証と性能評価を行い、性能的にも劣化がほとんどないことを確認した。 スマートフォンによる見守りを実現するため、以下のような研究開発を行った。加速度センサだけでなく、磁気センサを用いて行動判定を行う。地下鉄などの列車乗車中は、電動モータにより地磁気が乱れることを利用する。磁気センサの平均と分散により、列車乗車中を区別できるメドを得た。これまでGPSの駆動を最小限とし、電力低減を図ってきたが、これに伴いCPU処理による電力が目立つようになっていた。そこで、頻繁に動作するプログラムをJAVAからCに書き直し、CPU処理時間を約1/3とした。これに伴い消費電力は従来比で約1/2減少させることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エンドツーエンド通信を行う要となるNTMobileについては、順調に開発項目を実現している。これまでシステム規模が限定されていたが、今回その制約を除去した。 完全な分散システムを想定していたが、サーバ機能はそのまま残す方が実現しやすいことが判明したため、LINUIXボックスの中に従来のTLIFES機能を入れ、家庭内ネットワーク(プライベートアドレス)に設置する。またLINUXボックスで宅内のセンサ情報を収集し、宅内見守りを行う。これにより、宅内見守りと、TLIFESによる外出中の見守りを融合させやすくなる。 このように方針を若干見直すことにより、TLIFESの機能拡張が若干遅れることになったが、大きな影響はない。
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今後の研究の推進方策 |
宅内見守りと外出中の見守りを融合するため、完全な分散型の見守りではなく、クライアント/サーバ型を残し、従来のサーバ機能を持つ装置をプライベートアドレス空間に設置する方法に方針を変更した。実現方法としてはこの方が従来の技術を流用しやすいので、進捗上大きな影響はないと思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の予算額以下に抑えようとしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
誤差の範囲であり、次年度にはほとんど影響がない。
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