ソーシャルメディアの大規模データの基本的な活用方法のひとつに,データを位置情報で絞り込み,場所に応じた情報提供を行うことがあげられるが,データの内容と空間構造の対応付けに起因する実用上の問題が放置されている.一般に,データの投稿時に付与されるのは,スマートフォンの測位機能などで得られた位置情報であり,「横浜は雨」と渋谷で投稿すると,データは渋谷にマッピングされ,神奈川県を空間検索してもヒットしない.本研究では,発信地・関心地を始めとする空間構造を考慮することでこの問題を解決し,さらに,空間関係に基づく,より高度で実用的な情報抽出を行う手法を提案する. 上記の目的の下で,昨年度,本科研の一部として進めてきた,新しい地理空間データ(方向付き点データ)を対象としたクラスタリングアルゴリズムに関し,当初想定しなかった良い結果を得た.補助事業期間を延長承した2018年度は,得られた知見に基づき,追加実験を行い,成果をまとめて,国際会議に投稿した(発表予定).
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