研究課題
本研究の目的は,基本的に少数のキーしか装備していない携帯電話などの小型端末において,検索キーワードの入力処理も含め,全体として高速なWeb検索を可能とすることである.本提案手法においては,少数のキーのみを用いて,少ない打鍵数で検索キーワードの入力処理が完了し,かつ,使用者による変換作業も不要である.よって,あまり画面を注視する必要がないことから,本提案手法は,様々な場面,状況での利用が想定される小型携帯端末上でのWeb検索手法として,特に有効であると考えられる.本研究においては,あいまいな数字列を入力とする携帯端末向けWeb検索手法を提案し,計算機への実装および評価実験を行い,その結果から本手法の実用面での有効性を確認する.平成27年度は,1人の使用者を対象として,入力数字列とキーワードの対応付け方法の検討を行い,個人のWeb検索履歴を用いた実験により,数字列の持つ曖昧さの排除や画面注視の評価方法等に関して,ある程度の知見が得られた.これを踏まえ,平成28年度においては,引き続き,数字列の持つ曖昧さの排除や画面注視の評価方法等に関して検討を進めつつ,複数人での同時使用を目指し,研究を進めてきた.複数人での使用を考慮すると,他の使用者のWeb検索履歴を利用しつつ,個人に特化したキーワードの対応付けを行うことが有効であると考えられる.そこで,これの実現に向け,Web検索結果のクラスタリングについて検討を行い,評価実験の結果から,ある程度の知見を得ることができた.そして,平成29年度においては,複数人での同時使用を考慮したアルゴリズムの検討,システムの構築を行った.これを用い,小型携帯端末上で,検索キーワードの入力処理も含めた検索速度の評価,および検索精度の評価を行い,本手法が有効であることが確認された.
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International Journal of New Technology and Research (IJNTR)
巻: Volume-4, Issue-3 ページ: 31-36