研究課題/領域番号 |
15K00156
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
藤吉 正明 首都大学東京, 学術情報基盤センター, 准教授 (20336522)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 情報通信システム / 画像処理 |
研究実績の概要 |
多くの画像を対象として内包する類似性や相似性を計測する検討を進めた。また、関連する分野について研究動向を調査した。その結果、今後の研究につながる幾つかの有益な知見を得ることができた。 知見の一つは、画像領域間に対する類似性や相似性の求め方に対するものである。例えば、研究当初に、構造記述や画像間類似性計測のために導入を検討していたlocality-sensitive hashingを、画像内の領域間に対する特徴量そのものとして利用する可能性の着想に至っている。画像領域間の類似性や相似性を測る尺度はすでに複数存在しているが、その他の尺度も含めて、本研究の目的に適した尺度の検討が引き続き必要である。 他には、特徴量と識別との関係に対する知見を得ている。例えば、機械学習の分野では、学習アルゴリズムが特徴量を自動的に選択、抽出する研究が進められている。また、セキュリティ分野では、より柔軟な認証を行なうための特徴量比較に関する研究が進められている。このような他分野の知見を応用することで、より適した特徴量や構造記述子を設計できる可能性もある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度であるとはいえ研究成果を公表するには至っておらず、やや遅れている感もある一方、初年度に実施予定であった研究環境の構築に加え、基礎データの取得と研究動向調査とを介して、2つの新たな方向性を見出している。まだ多くの検討課題を有し、データの取得など引き続き検討を重ねる必要があるが、今後の研究に繋がる大きな進展であるため、この点は計画以上の進展があると考えられる。以上のことから、おおむね順調に進展していると結論する。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度の研究実績を踏まえ、今後の研究の推進方策を次のように考えている。すなわち、1.引き続きの検討と研究成果の公表、2.研究動向調査、3.応用の模索、である。 1では当該年度の研究成果に対する検討を進め、学会での発表や論文の執筆を介して、研究成果の中間的な公表を考えている。2では本研究が関連する複数の研究分野において、各分野の先端研究者が集まる国際会議に出席し、世界の最新動向を調査する。同時に、これまでの研究成果や今後の研究の方向性についても意見を交換し、より良い研究成果が得られるよう努める。3では、改ざん検出などの応用を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に多少の変更があり、未使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費は、以下のとおりに使用する計画である。すなわち、1.研究成果の公表および研究動向の調査、2.物品の購入、3.アルバイトの雇用、である。 1では、本研究が関連する複数の研究分野において、各分野の先端研究者が集まる国際会議に出席し、これまでの研究成果や今後の研究の方向性についても意見を交換し、より良い研究成果が得られるよう努める。同時に世界の最新動向を調査する予定である。したがって、会議参加費や旅費、資料購入などに研究費の一部を使用する計画である。2では、引き続き試行実験や評価実験を行うために、ソフトウェアやデータを中心に幾つかの購入を予定している。3では、データ整理や評価実験の補助を目的に、アルバイトの雇用を計画している。
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