研究課題
実空間と仮想空間との位置情報に基づくSNSデータとWebページの関連付け(要素技術1)ならびにユーザ特性抽出によるページとユーザの信頼性ランキング機構の基盤を開発した。具体的には、まず、対象データの取得ならびに分析を実施し、SNSデータとWebデータの相関性を検証した。SNSとしてTwitterを対象とし、位置情報付きツイートストリームデータの取得管理機能を実装した。次にツイートとWebページの関連付けならびに評価検証を行った。関連付け手法は、Webページから場所名を抽出し、場所名を緯度経度に変換し、半径d以内で発信された一定時間内のツイートを取得し、それらツイート集合から時空間に基づく重要度算出手法を開発し、場所名に関連する特徴語として抽出した。これにより、半径d以内で場所名が含まれていないが、感想や意見を含みかつノイズではなくその場所に関するツイートを取得できた(要素技術1)。最後に、位置情報に基づき取得しWebページと関連付けられた当該ツイートの提示機能を開発した。また、信頼性の高いユーザを発見するためには、ユーザ行動分析が必要となるため、ユーザが公開しているアクセス履歴をリアルタイム取得し、分析した。さらに情報交換時のリアルタイム処理として、複数クライアントのデータを非ブロッキングI/Oを使用したLong pollingによる非同期通信を採用し、検索・閲覧時さらに情報交換時のツイートストリームデータならびにWebログストリームデータを分析し、各種データを実時間で分析・抽出する仕組みを開発した(要素技術2)。以上の研究内容を、国内会議7件、国際会議7件、論文誌2件で成果発表した。
1: 当初の計画以上に進展している
当初成果目標として国内会議3件、国際会議1件、論文誌1件を設定していたが、国内会議7件、国際会議7件、論文誌3件、受賞3件と、予定以上の成果を得ることができた。これは開発が予定以上に進み、多くの論文投稿に至ったことと、これら研究の新規性、有用性の高さが認められ、多くの論文が採択に至ったためである。
当初計画以上に進展しているため、平成28年度は、近年急速に普及しているスマートフォン等の携帯端末を用いたTwitterおよびWebサービスへの拡張を実施する。アクセシビリティの高いインタフェース(要素技術3)だけでなく、移動中のコンテクスト解析、コンテクストおよびユーザ特性を考慮した推薦やナビゲーション機能を研究開発する。また、当初計画以上に進展したため、平成28年度の成果目標であった、国内会議4件、国際会議2件、論文誌1件も既に達成したため、発表旅費と論文誌出版費を次年度の平成29年度に一部移行予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 14件)
International Journal of Multimedia Data Engineering and Management (IJMDEM)
巻: Vol. 7, No. 1 ページ: 1-21
情報処理学会論文誌
巻: Vol. 57, No. 4 ページ: -
巻: Vol. 57, No. 1 ページ: 366-378