研究課題/領域番号 |
15K00164
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山崎 悟史 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (80635889)
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研究分担者 |
切岩 祥和 静岡大学, 農学部, 准教授 (50303540)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | IoTネットワーク / 施設栽培イチゴ / 収穫量推定・予測 / ノンパラメトリック回帰 / 積算値 / 差分値 |
研究実績の概要 |
3種類の情報(地域就農者のハウス内に構築した農業IoTネットワークから収集された温度などの環境情報,給液量や給液ECなどの施設情報,実際の収穫量情報)から構成されるBigDataに対して,提案モデルに基づいて回帰分析を施すことにより,イチゴ栽培における高精度な収穫量予測手法を確立するのが,本研究の目的である.これまで「作物の収穫量が環境の短期変動の影響を受ける」というモデルを考案し,回帰分析に差分値の導入を提案した.イチゴは1シーズンに複数回収穫される作物のため,その収穫量の高精度な推定・予測に向け,説明変数と目的変数間の非線形構造を表現可能とするノンパラメトリックな回帰に着目した.施設栽培イチゴを例に,その1シーズン(約1年間)分の計測データを用いて,GAM(Generalized Additive Models)回帰を用いた際の,収穫量推定精度を高めるパラメータ設定と差分値の導入効果を明らかにした.今後,複数シーズンのデータを用いてこれらの更なる検討が今後の重要課題の一つである. さらに,前述したIoTネットワークを構築してきた際に直面した課題(ハウス内などのシャドウイン環境下におけるマルチホップネットワークにおける全体電力消費)について検討を進め,簡素な系を対象に全体電力消費の観点で最適ホップ数や最大ホップ数などの理論的導出に成功した.これらを含む成果の一部は,原著論文に掲載され,国内学会やアグリビジネス創出フェア2017などで発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1シーズン合計(約1年分)のデータを用いた収穫量推定評価において,提案手法の有効性ならびに従来手法に対する優位性を確認できたため.
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今後の研究の推進方策 |
GAM以外の回帰の適用効果を明らかにするとともに,複数シーズンのデータを用いて収穫量予測手法の確立していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)一部の農家で品種の変更が入り,それに伴いシステム保守に影響がでたため. (計画)システムの保守運用,データ解析環境の増補,得られた成果を対外発表するための諸経費,論文投稿費,技術情報収集や関係者との議論のための出張費など.
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